災害時のハムの有効活用について(北海道地方本部)
アマチュア無線の災害時の活用については古くから行われており、決して新しい発想ではありません。
そして、携帯電話、衛星電話が普及した現代においてさえ、これらのインフラが機能しなくなる大規模災害においては、アマチュア無線の活用が有効な連絡手段であることに変わりはありません。
それらを踏まえた上で、非常通信体制を整えることは重要な災害対策と言えますが、こと北海道においては、その広大な面積からそういった組織を作ることと同等に、その組織が機能するまでのごく初期段階、そして日ごろから準備してある非常通信体制が整った後においても、非常通信体制に組み込まれた無線局に情報を与え、災害の全体像を把握するための補完要素として、各地に居住するアマチュア無線家が草の根的に連携し、各地域の情報を提供することは極めて有効なことと言えます
ただし、既に8エリアでは中・長距離間の非常通信体制、訓練はHF(3.5Mhz帯)で構築されているので、ここではより短・中距離間での、V・U 帯を使った通信体制の話をしています。
もちろん、従来通りの音声による情報伝達だけでも充分に有効ですが、現代の無線機はAPRSによる位置情報の提示、D-STARやC4FMの画像送信機能、そしてレピーターやノード局を使った遠距離の情報伝達などの機能を持っているものも多く、これらを有効活用すれば災害時の情報収集・伝達手段として大きな力となることは言うまでもないでしょう。
そのためには、
- ブラックアウト時でも発電機やソーラーパネル&ポータブル電源などの自賄い電源で無線機を使えるようにしておく。
- 災害時に無線通信体制が構築できるよう、平時から地域の局同士で使用周波数やレピーターなどを申し合わせておく。
- せっかく位置情報や画像伝送などの機能を無線機が持っていもて使い方がわからなければこれらの機能を生かすことはできませんので、日ごろから操作方法を確認し、忘れないように定期的に機能を使ってみることが大事です。
これら当たり前と言えば当たり前のことですが、わかってはいるけど…なことを前回のハムフェアに続き今回も引き続き展示します。